八坂神社本殿

八坂神社は,京都市街の中心部,四条通の東端に位置する。疫病退散を祈願する祇園信仰の総本社で,現在の本殿は四代将軍徳川家綱により,承応3年(1654)の建立である。入母屋造で,両側面と背面に庇をつけた独特の外観をもつ。身舎は奥側の内々陣と前側の内陣に区画し,それぞれ正面に3間通しの棚を設けて他に例を見ない。身舎の四周には外陣がまわり,正面に礼堂が取り付いて,ここまでが入母屋造,檜皮葺の大屋根に収まる。さらに庇をつけて規模を拡張するのは,平安時代の建築の方法で,側面の庇は小部屋に分かれている。この本殿の形式は,鎌倉時代には成立していたことが明らかである。八坂神社本殿は,平安時代の建築の空間構成を伝え,中世の信仰儀礼と建物の関係をよく示しており,こうした伝統を継承した建物として,江戸時代前期に建立されたことは我が国建築史上,高い価値を有する。また,この本殿が,祇園祭を担う人々によって現在まで維持されてきたことには,深い文化史的意義が認められる。

員数 1棟
種別 近世以前/神社
時代 江戸前期
西暦 1654
構造及び形式等 桁行七間、梁間六間、入母屋造、正面向拝三間、両側面及び背面庇付、背面三間突出、檜皮葺
指定番号 240
国宝・重文区分 国宝
重文指定年月日 19110417.0
国宝指定年月日 20201223.0
所在都道府県 京都府
所在地 京都府京都市東山区祇園町北側
所有者名 宗教法人八坂神社
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