移情閣

移情閣は,神戸を中心に活躍した華僑の呉錦堂が,舞子ヶ浜にあった別荘の一部として,大正4年に建設した。呉錦堂と親交が深かった孫文は,数回ここを訪れており,これに因んで,現在は孫中山記念館として活用されている。
形式は八角三階建で,総高は約24.1mである。構造は木造軸組を建て,外壁にはコンクリートブロックを軒裏まで積み上げている。
内部は各階とも床が板張,壁面が下部を腰板張,上部を金唐革紙の壁紙張として共通するが,天井等は各階毎に変化をつける。
移情閣は,八角三階建という類例の少ない形式ながら,端正な比例構成を持ち,内部も各階毎に異なる意匠でよくまとめられ,高く評価できる。
また,最初期のコンクリートブロックを用いた建築で,その構法や技術を伝える遺構としても重要である。

員数 1棟
種別 近代/住居
時代 大正
西暦 1915
構造及び形式等 木骨コンクリートブロック造、建築面積105.7m2、八角三階建、 正面玄関ポーチ付、側面階段室付、スレート葺及び銅板葺
指定番号 2402
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 20011114.0
所在都道府県 兵庫県
所在地 兵庫県神戸市垂水区東舞子町2051番地
所有者名 兵庫県
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