岩屋熊野座神社覆屋

岩屋熊野座神社は,人吉城の南方に位置している。鎌倉時代以前に草創されたと考えられる。社地の西端に鳥居を構え,長い参道が続き,境内は前面に広場を取って拝殿と覆屋が建っている。
本殿三棟は,いずれも一間社流見世棚造の小型の社殿で,覆屋内部に並んでいる。中央殿と左殿は,構造手法や様式から見て天正年間の建立と推定される。右殿は,拝殿や覆屋などとともに,享保12年(1727)の建立と考えられる。鳥居は石造の両部鳥居で,元禄14年(1701)の建立である。
岩屋熊野座神社は,三棟の本殿を覆屋内におさめた独特の構成になり,これを中心に社殿がまとまって残り,高い価値がある。
とくに本殿の細部は地方的特色を強くあらわし,九州地方における中世に遡る神社本殿の意匠,技法を知る上で,貴重である。

棟名 覆屋
員数 1棟
種別 近世以前/神社
時代 江戸後期
西暦 1727頃
構造及び形式等 桁行三間、梁間二間、切妻造、鉄板葺
指定番号 2420
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 20021226.0
所在都道府県 熊本県
所在地 熊本県人吉市東間上町
所有者名 岩屋熊野座神社
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