瀧谷寺観音堂

瀧谷寺は九頭竜川河口の三国湊に寺地を占める真言宗寺院で,近世には福井藩の庇護を受けた。境内の中央に,江戸中期に建てられた本堂と観音堂が並び,本堂の正面に山門を構え,観音堂の東側に,元亀3年(1572)建立の開山堂と,室町後期の建立で重要文化財に指定されている鎮守堂が配されている。
瀧谷寺の伽藍は,中世から近世に整えられた堂舎が良好に保存され,庭園とともに優れた境内を創出している。観音堂は平面や空間構成に近世寺院建築の特徴を示し,本堂と方丈は藩主御成りなどのための上質な座敷を備えている。また細部に施された華やかな意匠は福井藩により造営された近辺の遺構と共通し,地方的特色が認められる。近世の北陸地方における密教系寺院建築の展開を理解する上で価値が高く,既指定の鎮守堂と併せて保存を図る。

棟名 観音堂
員数 1棟
種別 近世以前/寺院
時代 江戸中期
西暦 1663
構造及び形式等 桁行七間、梁間七間、寄棟造、向拝一間、桟瓦葺
指定番号 1534
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 20170731.0
所在都道府県 福井県
所在地 坂井市三国町滝谷
所有者名 瀧谷寺
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